浮かぶキューブの中に・・・その4

なんとなく始まった感のある「ショートストーリー」です・・・

今回は、画像なしですが・・・・お楽しみください (*´ω`)ノ


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 マジシャンは、自分の部屋に戻ると、いつものようにドアに鍵を掛けた

 新しいマジックを考える時は、例え妻や子供といえども

 いっさい部屋には入れないのだ。

 
 彼は、上着を脱ぐとポケットの中のキューブをそっと取り出し、机に置いた

 

 羽根のように軽いその物体は、やはり少し浮いていた・・・

 
 その中で焦げ茶色の小さな粉の塊が、次第に消えていった事には

 彼も気付かなかったようだった・・・・・。


 
 彼は、まずステッキとキューブの関係を見極めようと試みた・・・

 
 結果、手にしたステッキの動きと自分の思念で、キューブを操れる事が分った。


 もちろんあのカナブンのように、キューブにステッキを差し込んだ状態で

 物を中に入れる事もできる・・・・

  
 
 まさに、種も仕掛けもない・・・・魔法のキューブだった!!

 
 
 彼は、夢中になって、いろいろな物を入れようと試したが、

 例えば、水、酒などの液体は、ステッキを差し込んだ状態で

 伝わせて流しても、キューブの表面を伝って下にこぼれたし、

 加工された物・・・机や本、花瓶、手品の小道具や金属製の鍋やヤカンなども

 キューブに入れる事は出来なかった。


 
 どうやら生物のみに限られるらしい・・・・

 

 それは、むしろマジックにとっては願ったり叶ったりなのだが・・・

  
 しかも、キューブより大きなサイズの果物や野菜なども

 ちゃんと縮小されて納まってしまうから不思議だ!


  

 移動させては取り出し、移動させては取り出し・・・・

 まるで子供のように時間の経つのも忘れて楽しんでいた


 そして、ドングリを1個入れたまま、少し眠ってしまったらしく

 目が覚めた時・・・キューブの中を見て、彼は驚いた!



    ・・・・・・・明日につづく